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茨城県農業会議


 平成29年度一般社団法人茨城県農業会議 事業計画

Ⅰ 基 本 方 針


 我が国の農業を取り巻く情勢は、農業従事者の高齢化、担い手の減少、耕作放棄の増加などにより、食料供給を支える農業生産基盤の脆弱化が懸念されており、構造改革をさらに加速化させていくことが求められている。  国では、昨年11月に農業の成長産業化に向けて「農業競争力強化プログラム」を取りまとめ、生産から流通・加工・消費にいたる構造改革の推進を図ることとしている。

 本県においては、全国をリードする農業県としてさらに発展していくため、平成28年3月に、「人と産地が輝く、信頼のいばらきブランド」を改革の基本方向とする新たな茨城農業改革大綱を策定し、茨城農業が有する「強み」を最大限活かして農業者の所得向上と魅力ある農村の創生を図ることとしている。

 このような中、農業委員会系統組織は、改正農業委員会法の施行により、平成28年4月1日より平成30年9月までに、順次新体制に移行することになっている。新体制での業務が、農地利用の最適化の推進に関する事項に重点化されたことから、農地と担い手対策を通じて、担い手の確保・育成と農地の集積・集約化、耕作放棄地の発生防止・解消などの取り組みを積極的に展開することとしている。

 また、茨城県農業会議は、農業委員会相互の連絡調整、農業委員・農地利用最適化推進委員等の研修、担い手の確保・育成、法人化の支援等を行うことなど農地利用の最適化の一層の推進を図ってきたところである。

 このような情勢を踏まえ、今後、県、市町村、農業委員会や関係団体など会員組織とのさらなる連携のもと、農業・農村現場に根ざした取り組みにより、系統組織として期待される機能と役割を果たしていくこととする。

 平成29年度の事業実施にあたっては、「農地の活用と担い手の育成」を図り、農地利用の最適化を推進するため、
 1.農地利用の最適化に向けた組織活動の強化
 2.現場の課題に即した政策提案など農政活動の推進
 3.優良農地の確保・有効利用の取り組みの強化
 4.法人化の支援など経営感覚に優れた経営体の育成
 5.新規就農・人材確保対策の推進
 6.農業者等に対する情報の発信活動の強化

の6項目を重点に掲げ、関係機関と一体となって、都道府県農業委員会ネットワーク業務を確実かつ効果的に実施していくこととする。

Ⅱ 事 業 計 画


1.農地利用の最適化に向けた組織活動の強化

(1)新制度への理解促進と円滑な移行への支援
   改正農業委員会法の施行を踏まえ、新制度に対する現場での理解が進むよう努めるとともに、農業会議に設置した相談
 窓口の機能を強化しながら、今年度新体制に移行する15農業委員会の実態把握及び情報共有化を図り、その円滑な移行を
 支援する。
  また、「農地利用の最適化」の具体的な柱である担い手への農地の集積・集約化、遊休農地対策、新規参入の促進が円
 滑に進むよう農業委員会における「農地等の利用の最適化の推進に関する指針」の策定・実践のため適宜・適切に助言・
 支援を行う。

(2)農業委員・農地利用最適化推進委員に対する支援
  新たに選任された農業委員や農地利用最適化推進委員に対して、農地利用最適化の取り組みを進めるために必要な関係
 法令、農地制度や各種施策さらには具体的な活動方法に関する研修会を早期に開催し、業務を確実に推進できるよう支援
 する。
  なお、農地利用最適化推進委員の活動を促進するにあたっては、「農地利用最適化交付金」の積極的な活用が図られる
 よう支援する。

(3)農業委員会組織活動の強化
  農業委員会組織活動を着実に推進するため、農業委員会会長・事務局長会議を開催し、さらなる連携強化を図るととも
 に、農業委員会職員を対象とした農地制度の仕組みや農地利用最適化を推進するノウハウ等に関する研修会を開催するな
 ど、組織の活性化と人材育成に向けた取り組みを進める。

(4)活動計画・目標達成に向けた組織活動の強化
 ①活動計画・目標作成、実行、評価、改善の取り組み
  農地利用の最適化の推進にあたって、農業会議及び農業委員会は、活動計画等を作成し、その確実な達成に努めるとと
 もに、その結果を点検・評価した上で、さらなる改善に繋げる一連の活動を進める。

 ②農業委員会の活動実績や成果の公表に向けた支援
  農業委員会が行う相談活動や農地パトロールなど、日々の農業委員活動の記録を徹底するなど、目に見える形で成果を
 積み上げるとともに、農業委員会活動の実績成果について、組織内外へ的確に公表できるよう、その取り組みを支援する。
  特に、遊休農地対策や担い手育成など農業委員会がこれまで推進してきた活動や取り組みは、「農業委員会活動整理カ
 ード」に取りまとめるなど、農業委員会活動の「見える化」を支援する。

(5)機構集積支援事業を活用した農業委員会の活動強化
  農業委員会の農地台帳の電子化・地図化、遊休農地などの所有者への意向確認等を実施するために措置された「機構集
 積支援事業」の積極的な活用を推進し、農地相談委員の設置、利用状況調査・利用意向調査や農地台帳整備などが確実に
 実施されるよう農業委員会の活動強化を支援する。

(6)女性の農業委員への登用促進
  女性農業委員は、今回の改正農業委員会法により16市町村で28人が新たに選任され、全体で68人(33市町村)とな
 り、特に、これまで選任されていなかった農業委員会のうち6市町村では新たに10人が選任された。
  農業委員の選出方法が、推薦や公募になったことに伴い、多くの女性農業者が推薦されるよう女性農業者等の組織に
 呼びかけるなど、女性が農業委員に登用されるよう働きかけを行う。

2.現場の課題に即した政策提案など農政活動の推進

(1)農業者・地域の声を積み上げ農政に反映させる活動の推進
  地域の農業者等との意見交換等を実施することにより、農地利用最適化の推進と併せ、農業経営の確立・体質強化に
 直結する課題について、現場からの声を積み上げ、関係機関・団体と連携を図り、国・県に対して意見提出を行う。
  また、農林漁業関係団体で組織する「茨城県農林水産業関係団体連絡会」とも連携して農政活動を展開し、自由貿易
 体制下における万全な国内対策を求め、国内農業を守るため必要な施策の要請活動を展開する。

(2)県民合意の農政推進
  農業・農村は食料生産のみならず農村環境を維持・保全するなどの機能を有しており、こうした農業の持つ多面的機
 能を県民に広く周知するため、「茨城農業改革推進大会」や「農地を活かし担い手を応援する運動推進大会」等を通じ
 て、県民への農業・農村に対する理解の促進に努める。

(3)調査活動の推進
  担い手への農地集積、農業経営の効率化など地域農業の振興の基礎資料とするため、農地取引価格の動向や農作業料
 金・農業労賃等の実態等を調査するとともに、農政の動きに対応するため、必要に応じて調査ならびに情報収集・提供
 を実施する。

3.優良農地の確保・有効利用の取り組みの強化

(1)農地台帳等の整備と公表事務の適切な実施
  農地法に基づく農業委員会における農地台帳等の整備と、農地利用状況調査・利用意向調査の結果反映や他の法定台
 帳等との照合、さらには農地台帳補足調査の実施等による台帳の精度向上に向けた取り組みを支援する。

(2)農地情報公開システムの完全移行・本格稼働の推進
  農地情報公開システムフェーズ2へのデータの完全移行による同システムの本格稼働を確実に実現するとともに、農
 地情報公開システムが最新の情報となるよう、各農業委員会の農地情報の入力状況の確認・進捗管理を行うとともに、
 情報入力が円滑に進むよう支援する。
  また、同システムの運用にあたっては、個人情報等の管理を徹底するともに、農業委員会等のニーズに応じたシステ
 ムの整備・改善に取り組み、必要に応じて整理した農地情報を関係行政機関、関係地方公共団体及び農地中間管理機構
 に対して提供するものとする。

(3)農地法改正に伴う農地事務の円滑・適正な執行
 ①農地の転用許可事務等の適正な執行
  30アールを超える農地転用案件については、県への申請前にあらかじめ都道府県農業委員会ネットワーク機構の意
 見を聴かなければならないことから、常設審議委員会において審議を行う。
  また、農業委員会の総会等における法令審議が公平・公正かつ適正に行われるとともに、議事録の縦覧・公表、会
 議の公開による透明性の確保が徹底されるよう支援する。

 ②法人等の農業参入への適正な対応への助言・協力
  改正農地法を踏まえた農地所有適格法人の要件緩和などに対応しつつ、農地が適正に取得され耕作されるよう指導・
 助言する。
  また、農業委員会に対する農地所有適格法人からの事業状況(農地法第6条)等の報告が適切に行われるとともに、
 農地所有適格法人以外の法人等が新たに農業参入する場合、地域において秩序ある農地の利用が図られるよう、農業委
 員会等に対して助言・協力を行う。

(4)耕作放棄地の発生防止・解消対策の推進
 ①遊休農地所有者等に対する利用意向調査及び利用調整の推進
  遊休農地対策の推進にあたっては、農業委員会が行う農地利用状況調査(農地パトロール)及び利用意向調査や農地
 中間管理機構への通知等を確実に行い、農地利用の最適化に向けた取り組みを支援するとともに、貸付けを希望する農
 地所有者に対しては、あっせんや利用関係の調整が積極的に行われるよう支援する。
  特に、耕作放棄地を未然に防止するとともに、地域全体で農地を活用していく観点から、農地中間管理機構と連携し
 て、耕作放棄地と周辺農地を一体的、かつ面的に整備・活用を図ることにより担い手に農地を集積する取り組みを進め
 る。

 ②荒廃農地等利用促進交付金を活用した解消対策の推進
  耕作放棄地の再生利用を図る際に経費の一部を助成する耕作放棄地再生利用交付金は、平成29年度末が申請期限に
 なっていることから、今後とも県内44市町村に設置されている地域耕作放棄地対策協議会において積極的に活用され
 るよう啓発・普及に努め、さらなる耕作放棄地の解消に向けて活用促進を図る。
  また、平成29年度から新たに創設される「荒廃農地等利用促進交付金」では、荒廃農地の発生防止の支援が拡充さ
 れたことから、関係機関と連携を図り制度の活用推進を図る。

(5)担い手への農地の面的利用集積の促進
  「人・農地プラン」に基づき担い手への農地利用集積を推進するため、農業委員会が行う農地利用調整活動を通じ、
 農地中間管理事業が最優先に活用されるよう取り組むとともに、農地利用最適化推進委員が農地中間管理機構とも密接
 に連携しながら、地域における利用調整の現場活動を積極的に推進できるよう支援を行う。

4.法人化の支援など経営感覚に優れた経営体の育成

(1)担い手の経営確立に向けた支援
  認定農業者等担い手の経営改善および経営能力向上を支援するため、認定農業者に対する複式農業簿記記帳や青色申
 告等に関する研修会を開催し、経営能力向上に向けた支援を行う。
  また、国において導入が検討されている農業経営における収入減少を補填する「収入保険」へ加入するためには青色
 申告が要件となっていることから、青色申告への移行について担い手組織等を通じて周知を図る。

(2)農業者年金の普及・加入促進の取り組み強化
  農業者年金制度の普及については、農業者の老後生活の安定と円滑な経営継承を図るのみならず、国の政策支援(保
 険料の国庫補助)や節税効果が得られるなど、本県農業を担って行く担い手を育成する重要施策と位置づけ、その普及
 啓蒙・加入促進に組織の力を結集して取り組む。
  当面の目標として本県の基幹的農業従事者数の約1割となる2,000人の確保に向けて、これまでの取り組みを点検・
 検証したうえで、農業委員会がJA営農渉外部門や県普及組織と連携して、生産組織などを対象として、加入資格者全
 員に対して働きかけを行うなど、加入推進活動を展開する。

(3)農業経営の法人化の推進
 ①農業経営の法人化支援
  農業経営の法人化については、平成28年度に法人化を志向する経営体から延べ110回の相談を受け、うち4経営体が
 法人化し、6経営体が農地を取得して農地所有適格法人となった。今後は、法人設立に向けた動きが高まっていること
 から、引き続き、法人化の相談窓口を設置して相談をきめ細かく実施することにより、農業経営の確実な法人化と経営
 力向上に向けて支援する。

②「茨城農業担い手法人化推進事業」の推進
  県単事業である「茨城農業担い手法人化推進事業」を活用し、県普及組織・市町村等からリストアップされた法人化
 を志向する経営体に対して、経営発展セミナーの開催や経営の専門家のアドバイザー派遣等を行い、農業担い手の経営
 発展や法人化を支援する。

(4)農業経営者組織の活動支援
  農業者自らによる農業経営者組織の活動について、長年にわたり支援・協力を行ってきたところであり、今後とも、
 農業会議が事務局を務める県段階の認定農業者の組織である「茨城県認定農業者協議会」、「茨城県農業法人協会」、
 「茨城県稲作経営者会議」等の活動を支援する。

   ◆茨城県農業会議が事務局を担当する組織(平成29年3月現在)
    ・茨城県稲作経営者会議(昭和52年3月31日  26人)
    ・茨城県農業法人協会(平成10年7月7日  74社)
    ・茨城県認定農業者協議会(平成13年10月22日  37組織)
    ・いばらき女性農業委員の会(平成17年11月16日  71人)
    ・茨城県耕作放棄地対策協議会(平成20年11月26日  44協議会)

5.新規就農・人材確保対策の推進

(1)日常的な就農相談の実施と就農相談会等の開催
  新規就農希望者に対して、日常的な相談活動(面談、電話相談等)を行ない、農地等の情報や農業法人等の求人情報
 の提供を行うとともに、関係機関との共催による就農相談会「新農業人フェア」に併せ、農業法人との合同会社説明会
 を開催するなど情報提供活動を行う。

(2)農の雇用事業を活用した雇用就農の推進
  農業法人等が就業希望者を新たに雇用して、生産技術や経営ノウハウ等を習得させる研修を実施する場合に、研修経
 費の一部を助成する「農の雇用事業」を積極的に活用し、新規就農者に対する農業法人等への雇用就農を推進する。
  当事業は、農業法人等の人材育成と経営確立にも多大な成果を上げている事業なので、今後とも継続されるよう働き
 かけるとともに、茨城県農業法人協会など経営者組織と連携して、これらの雇用就農者が茨城農業の優れた担い手とし
 て定着し、さらに独立する際には、中核的な経営体に発展できるよう必要な支援を図ることとする。

(3)茨城県農業会議無料職業紹介所を活用した就農促進
  農業会議において、職業安定法第33条第1項の規定に基づき設置した「茨城県農業会議無料職業紹介所」を活用し、
 農業法人等への就職を促進する。

6.農業者等に対する情報の発信活動の強化


 農業・農村を巡る情勢は大きな変革期にあることから、地域の農業者に農業政策や各種施策等の最新情報を提供するた
め、全国農業新聞や全国農業図書の活用を推進し、農業委員会と地域・農業者との「信頼の絆」づくりの活動を中核に位
置づけ、改正農業委員会法に定められた情報提供活動の一層の強化を図る。
 また、農業委員会段階における農業委員会だよりの発行や市町村広報誌の活用を推進し、農業・農村に対する県民の理
解促進に向けた啓発活動を支援する。

(1)全国農業新聞の普及推進
 平成28年における年間平均購読部数は、2,920部(前年対比1部増)となった。平均購読部数の増は、全国で3府県のみ(茨城、大阪、奈良)。
 農業者への情報提供を農業委員会の重要な業務であることから、全ての農業委員及び農地利用最適化推進委員が全国農業新聞を購読し、全国農業新聞を活用して農業者への情報提供を的確かつ確実に行うようにする。
 また、農地利用の最適化を通じて地域農業のさらなる発展に向けて、より多くの農業者へ最新・有益な情報を提供するため、農業委員1人あたり新たに2部の増部を目指してさらなる普及推進を図る。

(2)全国農業図書の普及推進
  農業関係の専門図書として活用されている全国農業図書については、利用促進に向けて各種会議でのPRや、市町村
 部局に向けても活用されるよう普及拡大を図る。

(3)農業委員会だよりの発行など情報発信の推進
  改正農業委員会法において「情報の公表」が新たに規定されたことを踏まえ、従来にも増して「農業委員会だより」
 を発行するなど、地域の農業者・住民に対する身近な情報提供の取り組みを支援する。

(4)農業会議のホームページを活用した農業関係情報の発信
  農業会議のホームページを活用して、茨城県農業会議の取り組んでいる各種事業や新規就農対策、耕作放棄地解消対
 策等について積極的な情報発信を行う。