我が国の農業・農村を取り巻く状況は、人口減少に伴うマーケットの縮小や基幹的農業従事者の高齢化に伴う人材不足に直面しているほか、気候変動リスクも急速に高まっている。
また、依然として猛威を振るう新型コロナウイルス感染症や原油価格の高騰、異常気象など予測困難な事象が次々と起き、すべてを見通すことが困難に近い現代は、「VUCA(ブーカ)時代」とも呼ばれ、求められるリーダー像も変化しつつある。
国においては、昨年5月に持続的な食料システムの構築やSDGsへの対応も含めた「みどりの食料システム戦略」を策定し、農薬に頼らない病害虫防除への転換、化学農薬・肥料の低減や有機農業の拡大についての目標値を示した。
それに伴い法制度の整備、予算・税制・金融上の支援措置がなされている。また、輸出促進については、昨年初めて年間1兆円を超え、2030年の年間五兆円を目標として「輸出拡大実行戦略」を昨年12月に改訂し、一層の対策強化が図られている。
さらには、新型コロナウイルスを契機として急速に進展するデジタル技術の活用に向け「デジタル田園都市国家構想」の重要性が高まっており、デジタル技術を活用したスマート農林水産業を推進することも不可欠となってる。
県においては、一貫して、農家の所得向上である「儲かる農業の実現」に向けて、農地の集積集約化や経営規模の拡大、県産品のトップブランド化による高付加価値化国内外の販路拡大などを進めている。
その結果、100㌶を超える大規模稲作経営体の育成や300㌶を超えるかんしょの生産拡大が図られた。さらに農産物の輸出額は、4年間で6倍まで拡大してきている。
こうした中、本協会は、セミナーや勉強会などでの農業経営に必要不可欠な知識等取得、各種交流会などでの人脈・情報交換の強化を図りながら、各会員が時代の急速な変化に対応しうる盤石な経営基盤を構築できるよう、令和4年度は以下の事業に取組む。
①総会の開催(1回)
②役員会の開催(5回)
会の組織・運営に関する検討、全体の進行管理
③監査の実施(1回)
④その他必要に応じ諸会議の開催
本会に以下の委員会を設置し、会員のニーズに対応した活動を検討し、各事業年度の研修・研究会等につなげる。
①政策委員会
各委員会において農業法人等の経営に必要な農政上の諸問題に関する要望・提言並びに検討会
を実施し、必要に応じ国・県等に政策要望・提言を実施する委員会
②人材委員会
優秀な人材確保・育成等を図るための委員会
③販売委員会
販路拡大や流通の効率化に向けた検討を行う委員会
④金融・税務・労務管理委員会
経営能力向上を図るための委員会
農業法人の後継者、若い従業員等を対象とて、次世代を担う組織内の人材育成・相互研鑽を図る。
①人材委員会
優秀な人材の確保・育成のための研究・研修会の開催
後継者や女性等を対象に経営能力向上を目的とした研修会の開催
会員間における労働力の確保、調整
ア.人材対策研究・研修会
イ.合同会社説明会
ウ.アグリジョブセミナー
エ.事業承継に向けた研修会
②販売委員会
販路拡大や流通の効率化に向け研究・研修会の開催
ア.農産物の販売・流通・6次産業化研修会
イ.商談会の開催
ウ.農産物の輸出研修会
③金融・税務・労務管理委員会
経営発展のための金融・税務・労務等研修会の開催
ア.農業法人の金融対策
イ.農業法人の税務対策
ウ.農業法人の労務管理
④次世代ネットワーク
次世代を担う組織内の人材育成・相互研鑽
ア.経営者意識向上研修会
イ.現地研修会
ウ.会員相互の親睦
⑤自然災害・新型コロナウイルス等感染症への対策
自然災害や感染症が発生した場合の人的・経済的被害に対する早急な対応及び十分な被害防
止対策ができるように研修会の開催や情報発信を実施する。
⑥現地研修会
県内外の優良先進法人の視察研修会の開催
⑦異業種との交流推進
経営の多角化等を通じた農業法人の経営確立を図るため、異業種(賛助会員等)との交流会、
意見交換会等の開催
日本農業法人協会等の主催する全国会議及び諸事業に参加し、全国情勢を把握するとともに
各都道府県の農業法人等との交流を図る。
農業法人の実態把握、経営改善に資するための必要な調査の実施
経営改善に資する情報資料の作成・配布
一般会員及び賛助会員(販売・流通業者、外食産業、金融機関等)の増員を図り、組織の活性化につなげる。